梨が他の果物と比べて高い理由は?安い時期・旬はいつ?

梨が他の果物と比べて高い理由はなぜなのでしょうか。

スーパーで梨が並んでいると、その値段に少しびっくりする人もいるのではないでしょうか。
梨を買いたくてスーパーに行っても、一玉200円~300円という価格を見てしまうと、その他のりんごやバナナ、柑橘系に手が伸び、
お目当ての梨を買わないなんてこともしばしば。

また、小さい頃はよく食べていたのに価格から最近はあまり食べなくなり、「梨は高級品」というイメージがついてしまったのは
私だけでは無いのではないでしょうか。

今日はそんな梨について、なぜ、他の果物と比べて高いのか、旬や安い時期もお伝えしていきます。
「最近ここ何年間も梨を食べていない」という人は是非参考にしてみてください。

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梨が他の果物と比べて高い理由は?

梨が他の果物と比べて高い理由は、主に以下の3つです。

 

栽培が難しい

梨は病害虫に弱く、特に黒斑病や赤星病などの予防や防除に手間がかかります。
また、梨は自家不和合性や他家不和合性という現象があり、同じ品種や相性の悪い品種では受粉しないため、
異なる品種の花粉を人工的に交配する必要があります。

さらに、梨は摘果や袋かけといった作業も必要で、大きくて甘い実を作るには栽培管理が緻密で丁寧でなければなりません。

自家不和合性とは

自家不和合性とは、被子植物の自家受精を防ぐ遺伝的性質のことです。
自家受精とは、同じ個体の花粉が同じ個体の柱頭に受粉することです。
自家不和合性の植物では、同じ個体や同じ遺伝子型を持つ個体の花粉が柱頭に到達しても、受精が起こらないか、種子が形成されないかします。

これは、雌蕊と花粉との間に自己認識作用があるためです。
自己認識作用は、S遺伝子座と呼ばれる特殊な遺伝子群によって制御されます。
S遺伝子座には、雌性決定要素と雄性決定要素と呼ばれるタンパク質をコードする複数の対立遺伝子があります。

これらのタンパク質が一致する場合には、自家不和合性反応が起こります。
自家不和合性は、植物の遺伝的多様性を保つための重要なメカニズムです。

 

他家不和合性とは

他家不和合性とは、異なる個体や品種の花粉を受粉した場合に、受精せずに結実しないことです。
これは、自家不和合性と同様に、雌蕊と花粉との間に自己認識作用があるためです。
自己認識作用は、S遺伝子座と呼ばれる特殊な遺伝子群によって制御されます。

S遺伝子座には、雌性決定要素と雄性決定要素と呼ばれるタンパク質をコードする複数の対立遺伝子があります。
これらのタンパク質が一致する場合には、自家不和合性反応が起こります。
しかし、異なる個体や品種では、S遺伝子座の対立遺伝子の組み合わせが異なるため、一致する確率が低くなります。

そのため、一部の交配組み合わせでは、受精が起こらないか、
種子が形成されないかします。これを他家不和合性と呼びます。

 

他家不和合性は、植物の遺伝的多様性を保つための重要なメカニズムですが、人間にとっては品種改良や栽培において障害となる場合もあります。
例えば、リンゴは自家不和合性であるため、同じ品種の花粉では受精しないか、結実しないかします。
そのため、リンゴ園では異なる品種の樹木を混植して受粉させる必要があります。

しかし、ある交配組み合わせでは他家不和合性反応が起こり、受精や結実が阻害される場合もあります。
そのため、リンゴ園では互いに受精しやすい品種を選んで混植する必要があります。

 

収穫が難しい

梨は適期になると実を支える軸が外れやすくなり、落果しやすくなります。
そのため、収穫時期を見極めるのが難しく、早すぎると未熟で味が悪く、遅すぎると落果して傷んでしまいます。
また、梨は収穫後も呼吸が活発で、鮮度が落ちやすいため、適切な温度管理や包装が必要です。

 

需要が高い

梨は需要が高い。梨は日本では古くから親しまれている果物で、秋の味覚として人気があります。
また、梨はギフトや贈答品としてもよく使われます。
そのため、需要が高く、価格も高くなります。

 

これらの理由から、梨は他の果物と比べて高いと言えます。

一方、りんごやミカンは栽培や収穫が比較的容易で、需要も安定しています。
りんごは涼しい気候で栽培されるため、病害虫の発生が少なく、剪定や摘果などの手入れも簡単です。

ミカンは暖かい気候で栽培されるため、耐寒性が強く、水やりや肥料などの管理も楽です 。
また、りんごやミカンは収穫時期が長く、収穫後も鮮度が保ちやすいため、流通コストも低く抑えられます 。

以上のことから、梨は他の果物と比べて育てにくさや成実のしにくさが高いと言えます。

 

スーパーに出回る梨の品種

スーパーに出回る梨の品種は、主に和梨と西洋梨の2種類です。
和梨は赤梨と青梨に分けられ、それぞれに多くの品種があります。
西洋梨はラフランスやルレクチェなどが有名です。

以下に、スーパーでよく見かける梨の品種を大きさ・旬・価格帯でリストにしてみました。

 

品種 大きさ 価格帯
幸水 中~大 7月~9月 200円~400円
豊水 大~特大 8月~10月 300円~500円
二十世紀 中~大 8月~10月 200円~400円
新高 中~大 9月~11月 300円~500円
ラフランス 中~大 10月~12月 300円~600円
ルレクチェ 小~中 11月~1月 200円~400円

 

スーパーでは買えない梨の品種

スーパーでは買えない梨の品種について、以下のように紹介できます。

 

彩玉(さいぎょく):

「新高」と「豊水」を掛け合わせて誕生した品種で、ジャンボと言われる程果実の大きい梨です。
埼玉県でしか生産されていない限定品種なため、通販などで取り寄せるか、埼玉の直売所で購入するしか入手手段のない希少な梨です。

 

瑞鳥(ずいちょう):

鳥取大学で誕生した青梨の一種で、2010年に登録されたばかりの新しい品種です。
果実が500~600gと大振りでしっかりと食べ応えのある梨です。

 

王秋(おうしゅう):

ラグビーボールみたいな形は他にありません。
日持ちの良い甘い赤梨です。

 

新雪(しんせつ):

お歳暮用のぴったりのデカさ。
日持ち良し。酸味無し。

 

愛宕(あたご):

重さが1kgにもなるビッグサイズの晩生品種です。
果肉はやや硬めで酸味が強く、熟すと甘みが増します。
収穫期は10月下旬から11月上旬です。

 

晩三吉(おくさんきち):

明治時代にはすでに食べられていた古典的な品種です。
果肉は柔らかくてジューシーで、甘みと酸味のバランスがよいです。
収穫期は10月下旬から11月上旬です。

 

かおり:

神奈川県で誕生した青梨の品種です。
果肉は柔らかくて果汁が多く、香りがよいです。
収穫期は9月下旬から10月上旬です。

 

加賀しずく:

石川県農業試験場で育成された品種です2。果肉はやや硬めでシャキシャキした食感で、甘みと酸味のバランスがよいです2。収穫期は9月下旬から10月上旬です2。

 

菊水(きくすい):

1927年に神奈川県の農業試験場で菊池氏が育成したことにより「菊池」は誕生しました。
黒斑病に強い品種をつくるため、「太白」と「二十世紀」を掛け合わせて育成されています。
二十世紀のしっかりとした甘味と酸味をもち、食味もよかったのですが、二十世紀より1本あたりの収穫量が少なく、形も不揃いのものが多かったため、
今では流通していない品種です。

以上が、スーパーでは買えない梨の品種とその特徴です。

 

海外では「洋梨」が主流?

海外では和梨より洋梨が主流です。
その理由について、以下のように説明できます。

・洋梨は追熟する性質があるため、収穫後に適切な温度管理をすれば長期間保存できます。そのため、流通や輸出入が容易で、世界中に広まりやすいです。

・和梨は追熟しない性質があるため、収穫時期を見極めるのが難しく、収穫後も鮮度が落ちやすいです。そのため、流通や輸出入が困難で、日本や中国などの一部の地域に限られています。

・洋梨は滑らかな食感と芳醇な香りが特徴で、生食のほかにも加工品や料理にも幅広く使われます。そのため、多様な消費形態が可能で、世界中の人々に受け入れられやすいです。

・和梨はシャリシャリとした食感と果汁が特徴で、主に生食されます。そのため、消費形態が限定され、日本や中国などの一部の地域で好まれる嗜好品となっています。

以上が、海外では和梨より洋梨が主流な理由です。
どちらも美味しい果物ですが、栽培や流通、消費の特性によって世界的な普及度に差が出ています。

 

最も梨が安く買える時期は?

最も梨が安く買える時期は、一般的には10月頃です。
これは、以下の理由によります。

梨の旬は8月~10月で、この時期に市場に出回る量が最も多くなります。
そのため、供給が増えて価格が下がりやすくなります。

梨の品種は多くありますが、スーパーでよく見かけるのは幸水、豊水、二十世紀などです。
これらの品種は9月~10月に収穫されるものが多く、この時期に新鮮で美味しい梨が安く手に入ります。
梨は収穫後も呼吸が活発で鮮度が落ちやすいため、適切な温度管理や包装が必要です。

そのため、収穫から時間が経つと品質が低下しやすく、価格も下落しやすくなります。

以上のことから、最も梨が安く買える時期は10月頃と言えます。
ただし、品種や産地、天候などによって価格は変動するので、注意が必要です。

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「梨が他の果物と比べて高い理由は?安い時期・旬はいつ?」についてのまとめ

梨が他の果物と比べて高い理由は、りんごやミカン、バナナなどの果物に比べて成実のさせにくさに理由があり、
「甘くておいしい梨」を作るのに多くの手間がかかることです。

おいしい梨を作るのに農家さんが多くの手間をかけてくれていることを考えたら、その価格や大きさ、味も少し愛おしくなってきませんか?

梨の事を良く知って、自分の一番好きな梨の品種を探してみるのも楽しいかもしれませんね。

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