ハイドロカルチャーになっている観葉植物を見て、「かわいそう」だと感じたことがある人は少なくないかと思います。
確かに、ハイドロカルチャーの観葉植物は室内で育てるのを前提としており、
「土を使わない」「十分な日光に当たらない」「頻繁に内部洗浄を行わなければいけない」という点から、
「ハイドロカルチャーになっている観葉植物はかわいそう」だと思う人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、ハイドロカルチャーの環境で、元気に何年も生き続ける植物がいるのも事実です。
今日はそんな、「ハイドロカルチャー」について、「本当にかわいそうなのか」という点から詳しく見ていきます。
ハイドロカルチャーに向いている観葉植物も紹介しますので、
「室内で観葉植物を育てたい」「ハイドロカルチャーはかわいそうだと思い、手を出せなかった」という人は是非参考にしてみてください。
「ハイドロカルチャーはかわいそう」と言われる理由
ハイドロカルチャーとは、土を使わずに水や人工的な土で植物を育てる方法です。
見た目がおしゃれで清潔なので、室内で観葉植物を楽しむ人に人気があります。
しかし、ハイドロカルチャーはかわいそうと言われる理由があります。
それは、以下の2点です。
・十分な日光を確保しにくい
・半年~1年に1回程度の植え替えが必要 (植物に負担がかかる)
十分な日光を確保しにくいというのは、ハイドロカルチャーは水耕栽培のため、直射日光を避けた室内の明るい場所に置くのが基本だからです。
直射日光を当てると水温が上昇し、根が傷んでしまう恐れがあるからです。
しかし、室内では十分な日光と風通しを確保することができず、光合成で生成できる養分の量も少なくなります。
つまり、土での栽培に比べるとなかなか株が充実しません。
半年~1年に1回程度の植え替えが必要というのは、ハイドロカルチャーは容器内に汚れが蓄積しやすく、根腐れを防ぐために内部の洗浄・交換が必要だからです。
鉢から株を取り出すことは植物にとって大きなストレスになることは間違いありません。
ハイドロカルチャーで育てていると、植物にストレスを与える機会が多くなります。1
このように、ハイドロカルチャーは植物の立場からすると最適な生育環境とは言えません。
しかし、工夫次第で長く楽しむこともできます。
例えば、耐陰性や水好性の強い植物を選ぶことで、室内でも育てやすくします。
また、根腐れ防止剤やイオン交換樹脂栄養剤を使うことで、水質を清潔に保ち、根腐れや植え替えの頻度を減らすこともできます。
「十分な日光を確保しにくい」とかわいそう?
観葉植物は、室内で緑を楽しむことができる素敵な存在です。
しかし、観葉植物は「十分な日光を確保しにくい」とかわいそうと言われることがあります。
その理由は何でしょうか?
観葉植物は、自然界では日光をたっぷり浴びて光合成を行っています。
光合成とは、植物が日光のエネルギーを使って水と二酸化炭素から酸素と糖を作る反応のことです。
この糖は、植物の成長や花や実をつけるために必要な養分です。
つまり、日光は植物にとって生きるために欠かせないものなのです。
しかし、室内では日光が十分に届きません。
窓際に置いても、ガラスやカーテンが日光を遮ってしまいます。
また、室内の温度や湿度も自然界とは異なります。
これらの条件下では、観葉植物は光合成で生成できる養分の量が少なくなります。
その結果、成長が遅くなったり、葉が黄色くなったり、花や実をつけられなかったりします。
このように、観葉植物は「十分な日光を確保しにくい」というのは事実です。
しかし、それはかわいそうということではありません。
なぜなら、観葉植物は土や水だけでなく、人間からの愛情も感じることができるからです。
観葉植物に話しかけたり、触ったり、世話をしたりすることで、観葉植物はストレスを和らげたり、活力を得たりすることができます。
また、観葉植物は人間にも多くの恩恵を与えてくれます。
例えば、空気を浄化したり、酸素を供給したり、心を癒したりします。
観葉植物は「十分な日光を確保しにくい」とかわいそうと言われる理由は以上です。
しかし、観葉植物は人間と共生することができる素晴らしい生き物です。
観葉植物に優しく接することで、観葉植物も人間も幸せになれるのです。
「植え替え」が頻繁に行われるとかわいそう?
観葉植物は頻繁な植え替えがかわいそうということはありません。
むしろ、植え替えは観葉植物にとって必要なお手入れの一つです。
植え替えの目的は、以下のようなものがあります。
・土の養分を補充する
・根詰まりや根腐れを防ぐ
・植物の成長に合わせて鉢のサイズを調整する
・植物の姿勢や見栄えを整える
植え替えは観葉植物にとって大きなストレスになりますが、適切な時期と方法で行えば、健康に育つために必要なことです。
一般的には、春から秋にかけて気温が15度以上の時期が植え替えに適しています。
また、植え替え後は以下のような管理を心がけると良いでしょう。
・直射日光や寒さを避けて明るく風通しの良い場所に置く
・土の表面が乾いたら水やりをする
・根が定着するまで肥料は与えない
・根を多く切り詰めた場合は葉数を減らしてバランスを取る
観葉植物はストレス軽減に効果があるという研究もあります。
観葉植物はリラックス効果や空気清浄効果、目の疲労軽減効果などがあると言われています。
観葉植物を置くことで心身ともに癒されるかもしれませんね。
ハイドロカルチャーとは
ハイドロカルチャーとは、土を使わずに水や人工的な土で植物を育てる方法です。
見た目がおしゃれで清潔なので、室内で観葉植物を楽しむ人に人気があります。
ハイドロカルチャーの特徴は、以下のようなものがあります。
・水の管理がしやすい
・清潔感がある
・インテリアと合わせやすい
・費用を節約しやすい
水の管理がしやすい:
水の管理がしやすいというのは、透明な容器に入れて育てれば水の残量が見えます。
根が呼吸できずに腐る「根腐れ」を起こしたり、水不足になったりする心配が少ないです。
鉢底穴から水が流れ出ることもないので、長期の旅行などでも水不足の心配がありません。
清潔感がある:
清潔感があるというのは、ハイドロボールは無菌・清潔なので病気や害虫が寄りつきにくく、室内を汚すこともありません。
また、ハイドロボールには匂いがないため、室内で植物を育てるのに向いています。
インテリアと合わせやすい:
インテリアと合わせやすいというのは、底穴の空いていない容器を使えるため、空き缶やガラス瓶、コップなどで植物を育てることができます。
自分好みのおしゃれな容器を使えるため、お部屋の雰囲気に合う容器を選びやすい点も魅力のひとつです。
費用を節約しやすい:
費用を節約しやすいというのは、ハイドロボールは劣化しにくく、洗って繰り返し何度でも使うことができます。
植えつけるたびに購入する必要がないため経済的です。
ハイドロカルチャーに向いている植物は、日光が少なくても生育できる耐陰性の高い植物です。
例えば、ポトスやデコラゴム・テーブルヤシ・ガジュマル・モンステラなどは、少しの日光でもすくすくと育つため、ハイドロカルチャーに向いています。
ハイドロカルチャーを始めるために必要なもの
ハイドロカルチャーを始めるためには何を準備すれば良いのでしょうか?
ハイドロカルチャーに必要なもの
ハイドロカルチャーに必要なものは、
・根が生えた観葉植物
・底穴の空いていない容器
・ハイドロボール(発泡煉石)
・水耕栽培用の液体肥料またはイオン交換樹脂栄養剤
・根腐れ防止剤
です。
これらは園芸店やホームセンターなどで手に入ります。
ハイドロカルチャーを始める手順
ハイドロカルチャーに植え替える手順は、
・容器の底に根腐れ防止剤を入れる
・水洗いしたハイドロボールを容器の1/3ほどまで入れる
・イオン交換樹脂栄養剤を適量ふりかける(液体肥料を使う場合は不要)
・容器の中心に植物を入れ、ハイドロボールの高さを調節する
・周りにハイドロボールを敷き詰めて、ぐらつかないようにする
・容器の1/5~1/4まで水を注ぐ(液体肥料を使う場合は水に溶かして与える)
です。植え替えたら、明るい日陰で管理します。
直射日光のあたる場所で管理するとハイドロボールの劣化が早くなったり、コケが生えたり、葉焼けで葉っぱが黄色く枯れ始めたりするので気をつけましょう。
ハイドロカルチャーに向いている観葉植物5選
ハイドロカルチャーに向いている観葉植物は、以下のような特徴を持つものが多いです。
耐陰性が高く、直射日光を避ける必要があるもの
比較的水を好むもの
生長速度がゆっくりで、植え替えの頻度が少ないもの
具体的には、以下の5つの観葉植物がハイドロカルチャーに向いています。
ポトス:
水差しでも簡単に発根する植物で、少しの日光でもすくすくと育ちます。葉の色や形もさまざまな種類があります。
スパティフィラム:
水を好む植物で、白い花を咲かせます。空気清浄効果もあると言われています。
アイビー:
強健で丈夫な植物で、水差しでも発根しやすく、ハイドロカルチャーに植え替えても育ちます。
つる性なので、ハンギングバスケットなどにも向いています。
フィロデンドロン:耐陰性が高く、室内の明るい場所でも育ちます。葉の形や色も多彩で、インテリアとしても楽しめます。
テーブルヤシ:
コンパクトな株と生長がゆっくりであること、そして多くの日光を必要としないことから、ハイドロカルチャーに適しています。
南国風の雰囲気を演出します。
ハイドロカルチャーに向いている観葉植物は以上です。
土を使わない「ハイドロカルチャー以外」の観葉植物
ハイドロカルチャー以外にも、土を使わないで観葉植物を育てる方法はいくつかあります。
例えば、以下のようなものがあります。
水栽培:
水栽培とは、水だけで植物を育てる方法です。水に溶けた酸素やミネラルを根で吸収して成長します。
水栽培に向いている植物は、ポトスやアイビー、スパティフィラムなどです。
エアプランツ:
エアプランツとは、土に根を張らずに空中で生育する植物です。
葉の表面にある細かい毛で空気中の水分や養分を吸収して成長します。
エアプランツには、ティランジアやオルランジアなどがあります。
コルク栽培:
コルク栽培とは、コルク板に植物を固定して壁に飾って育てる方法です。
コルク板は通気性が良く、水分や養分を保持する性質があります。
コルク栽培に向いている植物は、多肉植物やシダ類などです。
これらの方法は、土を使わないで観葉植物を育てることができます。
見た目もおしゃれでインテリアとしても楽しめますね。
「ハイドロカルチャーはかわいそう?向いている観葉植物5選」についてのまとめ
「ハイドロカルチャーはかわいそう」だと言われる理由について詳しく見てきました。
かわいそうだと言われる理由は、「日光が十分に当たらない」「植替えが多く、頻繁に観葉植物にストレスがかかる」という理由からです。
しかし、ハイドロカルチャーの環境ですくすくと育ち、何年も生き続けている植物がいるのも事実です。
ハイドロカルチャーの環境を好む植物もあるため、そのような植物を選び、
室内で植物を楽しむのもまた、園芸の楽しみ方の一つではないのかと思います。
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