「睡眠不足の状態は酔っぱらっている状態と同じ。」
どこかで聞いたことあるかと思います。
睡眠時間が短い人は「ビール中瓶1本」を飲んだ後のような脳の働き方で過ごしているのと同じだという専門家もいます。
今日はそんな、「睡眠不足の脳の状態」と、「何時間寝るのが最適なのか」をお伝えしていきます。
「最近、日中の眠さが毎日のように続く」という人は参考にしてみてください。
最適な睡眠時間は何時間？
通常、成人には7〜9時間の睡眠が推奨されています。
しかし、個人差があり、一人一人に最適な睡眠時間は異なります。
重要なのは、自分が十分な睡眠をとって、疲れを取ることです。
また、睡眠の質も重要です。夜更かしをせず、寝室を暗く、静かで快適な環境に整え、睡眠を妨げる要因を排除しましょう。
これらのことを実践することで、脳のパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。
時間を増やすのと同時に「睡眠の質」を上げる
睡眠の質を上げる方法には以下のようなものがあります。
1. 寝る前にリラックスする：
入浴やストレッチ、瞑想などを行い、心身をリラックスさせることが大切です。
2. 寝室の環境を整える：
寝室は暗く静かな空間にすることが望ましいです。また、快適な寝具や枕を使用することも大切です。
日常生活では多くの電球や案内のための光があります。
睡眠の質を上げるためには「目に光が直接入る位置に光源が無い」ことが大切です。
3. 睡眠のリズムを整える：
毎晩同じ時間に寝て同じ時間に起きることで、体内時計を整えることができます。
もし、夜型の体内時計になってしまっていてリセットしたいと思っている方は「朝日を浴びる」などの方法が効果的だと言われています。
4. 運動をする：
適度な運動は睡眠の質を上げる効果があります。ただし、寝る直前に激しい運動をするのは避けましょう。
5. 食事に気をつける：
寝る前に軽い食事をすることや、アルコールやカフェインを摂取することは睡眠の質を悪化させることがあります。
また、腸内環境を調えたり、ジャンクフードを避け、体にとって良いものを摂取することで睡眠の質を上げるのも大切です。
これらの方法を実践することで、より質の高い睡眠を得ることができます。
最適な睡眠時間が取れた時の脳の状態
最適な睡眠時間を取ることで、脳はリフレッシュされ、集中力や認知能力が向上し、情報処理や学習能力が強化されます。
また、睡眠中に脳内の不要な情報が整理され、ストレスや不安を軽減する効果もあります。
さらに、睡眠中には成長ホルモンの分泌が促進され、細胞の修復や再生が行われます。
日本人の「睡眠不足率」は世界トップクラス
日本人は世界的に見て睡眠時間が短い傾向にあり、睡眠不足の人が多いとされています。
具体的には、日本人の平均睡眠時間は約6時間30分程度で、
これはアメリカやヨーロッパなど他の先進国に比べて1時間程度短いとされています。
また、日本人には長時間労働や夜遅くまで働く文化があることも睡眠不足の原因となっています。
睡眠不足は健康に悪影響を与えるため、適切な睡眠をとることが重要です。
「睡眠時間」の世界ランキング
ここで、世界の人々は日常的にどのくらいの睡眠時間を取っているのかを見ていきましょう。
睡眠時間が「多い」国トップ3
1位．ベルギー睡眠時間：７時間30分
2位．アイルランド：7時間29分
3位．オランダは：7時間28分
睡眠時間が「少ない」国トップ3
1位．インドネシア：6時間36分
2位．日本：6時間44分
3位．マレーシア：6時間46分
日本が「睡眠時間の少ない国ワースト2」な理由
日本人の睡眠時間が短い理由は、以下のような要因が考えられます。
1. 長時間労働文化：
日本では長時間労働が一般的で、多くの人々が過重労働になっています。
仕事に費やす時間が長くなるため、睡眠時間が削られることがあります。
2. スマートフォンの普及：
スマートフォンやタブレットなどの電子機器が普及し、夜遅くまで使用する人が増えています。
また、スマートフォンやタブレットなどの青色光が脳に刺激を与え、寝つきが悪くなることがあります。
3. カフェインの摂取：
コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインは、中枢神経を刺激し、眠気を覚まします。
日本ではコーヒーや紅茶などの飲料が一般的で、夜遅くまで摂取することが多いため、睡眠時間が短くなることがあります。
4. ストレス：
ストレスが睡眠に悪影響を与えることがあります。日本では労働環境が厳しいことが多く、
ストレスを抱える人が多いため、睡眠時間が短くなることがあります。
以上が、日本人の睡眠時間が世界ワースト2になってしまっている理由です。
酔っぱらいの脳はどんな状態になっているのか
酔っぱらっている時の脳の状態は、アルコールによって神経細胞の活動が抑制され、認知機能や判断力、注意力などが低下します。
また、アルコールが影響を及ぼす脳の部位には、記憶や感情を司る海馬や扁桃体、自制心や社会的判断力を司る前頭前野などがあります。
したがって、酔っぱらっている時は、思考や行動に制限が生じたり、感情のコントロールが難しくなったりする場合があります。
「酔っ払いの脳」と「睡眠不足の脳」は働き方がとても似ている
睡眠不足の脳は、十分な睡眠をとった脳と比較して、活動量が異なります。
睡眠不足の場合、脳内の神経細胞は過剰に活動し、神経伝達物質であるノルアドレナリンやドーパミンの分泌が増加します。
これにより、注意力や反応速度が低下し、判断力や思考力が鈍ってしまいます。
また、睡眠不足は、脳内の神経回路の機能にも悪影響を与え、記憶力や学習能力、情動制御などにも問題が生じることが知られています。
これらの理由から、睡眠不足の脳の状態が、十分な睡眠をとった脳とは異なり、
酔っぱらったときの脳の状態が睡眠不足の脳の状態と同じだと言われています。
「仮眠」が脳の働きを活発にする
仮眠を取ると脳のパフォーマンスが上がるメカニズムは、脳の疲れを取るために起こると考えられています。
仮眠中に脳はリラックスし、疲れた神経細胞が回復するためのエネルギーを取り込みます。
また、仮眠中に脳は情報を整理し、新しい情報を処理するための準備を整えます。
これによって、仮眠後にはより効率的に情報を処理できるようになり、パフォーマンスが向上するとされています。
「質の良い仮眠」にするために
仮眠は、15分から30分程度が適切とされています。これ以上長く眠ってしまうと、逆に疲れが取れずに眠気が残ってしまうこともあります。
また、仮眠を取る際には、明るい場所や騒音の多い場所ではなく、静かで暗い場所を選ぶことが大切です。
この、「15分から30分程度が適切」と言われているのには根拠があり、「睡眠サイクル」が深く関わっています。
睡眠サイクル、レム睡眠、ノンレム睡眠については別記事で詳しく解説しています。
「睡眠不足は酔っ払いと同じ状態？」のまとめ
睡眠不足の時の脳と、アルコールを飲んで酔っ払ったときの脳の動きは似通っており、
それが「睡眠不足は酔っ払いと同じ状態」だと言われる理由です。
日本は世界的にも睡眠時間の足りていない国で、その要因は様々です。
自分で改善できる部分は改善し、自分ではどうしようもないところは「睡眠の質」を上げて、
なるべく良いパフォーマンスを引き出せる状態で日中を過ごしたいですね。
