高山植物で見られる白い花の名前は何というのでしょうか?
山を登っていると、普段平地で暮らしている時には見慣れない、珍しい植物に出会うことができます。
高山植物の多くは6月下旬頃から開花が始まり、7月半ば頃になると一年で最も多くの花が見られる季節を迎えます。
高山の冬は平地に比べ特に厳しく、時には激しい風雪に見舞われたりします。
それを乗り越えてから咲く花はひと際輝いて見えるのではないでしょうか。
今日はそんな高山植物で見られる白い花について、春・夏・秋・冬毎に分けて紹介します。
登山中に気になる花があった方は是非参考にしてみてください。
高山植物の定義とは
高山植物とは、一般には森林限界より高い高山帯に生えている植物のことを指します。
しかし、この定義はあまり厳密ではありません。
実際には、高山帯に固有の植物だけでなく、氷河時代に氷河の南下とともにやってきて現在まで高山帯に残っている植物も高山植物と呼ばれます。
また、亜高山帯や山地帯にも生えているが、適応の幅が広いので高山帯にも生えている植物も高山植物と呼ばれる場合があります。
高山植物は、低温、強風、強光などの厳しい環境に適応するために、さまざまな特徴を持っています。
たとえば、地下茎や根が発達している割に茎や葉が小さく、樹木であってもほとんど草並の背丈で、地表に密着してクッション状に成長するものが多いです。
また、花は鮮やかな色彩を持ち、一面に花が並ぶようすをお花畑と呼びます。
日本の高山植物は、ほとんどが氷河期の遺存種であり、北海道以北に近縁種を持っています。
これらの植物は、氷河期が終わってから各地の山頂付近に孤立し、固有種に分化してきました。
そのため、日本の高山植物は多様性が高く、貴重な自然遺産と言えます。
高山植物の定義や特徴について、簡単に説明しました。
高山植物は美しくて魅力的な植物ですが、環境の変化や食害などで危機にさらされています。
高山植物を見るときは、保護のために立ち入り禁止区域に侵入したり触れたりしないようにしましょう。
「春」に咲く白い高山植物
春に咲く白い高山植物は、たくさんの種類があります。
高山植物とは、森林限界より高い高山帯に生えている植物のことですが、
低山や平地にも生えているものもあります。
ここでは、春に咲く白い高山植物の中から、代表的なものをいくつか紹介します。
オサバグサ:
ケシ科オサバグサ属で、日本固有種です。
小さな白い花を下向きに咲かせます。
葉の形が機織りの縦糸を整える筬(おさ)に似ていることから「筬葉草」と書きます。
チングルマ:
バラ科ダイコンソウ属で、白い花が終わった後の実の姿が「稚児車(ちごぐるま)」に似ていることが名前に由来します。
花は鮮やかな色彩を持ち、一面に花が並ぶようすをお花畑と呼びます。
ニリンソウ:
キンポウゲ科イチリンソウ属で、春の野草の代表ともいえる白い花です。
1本の茎に2輪の花を咲かせるためニリンソウという名前がつきました。
葉は山菜として食べられますが、若葉が有毒のトリカブトと似ているため注意しましょう。
ヒトリシズカ:
センリョウ科チャラン属で、九州~北海道で見られます。
花の形が個性的で、コップを洗うブラシのような形をしています。
別名が「眉掃草(まゆはきそう)」で、眉を整える筆にもたとえられていました。
フキノトウ:
キク科フキ属で、各地の里山で見られる山菜として有名な春の野草です。
採らずにそのままにしておくと、白い花が咲きます。
花束のように固まっており、満開時はたんぽぽの綿毛に似た形です。
これらは春に咲く白い高山植物の一部ですが、他にも多くの種類があります。
高山植物は美しくて魅力的な植物ですが、環境の変化や食害などで危機にさらされています。
「夏」に咲く白い高山植物
夏に咲く白い高山植物は、たくさんの種類があります。
高山植物とは、一般には森林限界より高い高山帯に生えている植物のことを指します。
しかし、この定義はあまり厳密ではありません。
実際には、高山帯に固有の植物だけでなく、氷河時代に氷河の南下とともにやってきて現在まで高山帯に残っている植物も高山植物と呼ばれます。
また、亜高山帯や山地帯にも生えているが、適応の幅が広いので高山帯にも生えている植物も高山植物と呼ばれる場合があります。
夏に咲く白い高山植物は、色系統別にいくつかご紹介します。
ウスユキソウ(薄雪草):
ケシ科オサバグサ属で、日本固有種です。小さな白い花を下向きに咲かせます。
葉の形が機織りの縦糸を整える筬(おさ)に似ていることから「筬葉草」と書きます。
エーデルワイスの名前でおなじみのウスユキソウは、北海道では低地でも見られる夏の花のひとつです。
キヌガサソウ(衣笠草):
キンポウゲ科キヌガサソウ属で、日本固有種です。
放射状に広がる大きな葉の上に真っ白い花を咲かせます。
花色は白~薄ピンク~薄緑色へと変化するのが特徴で、秋に熟する子房の部分は食用としても活用できます。
秋田と山形の県境にある神室山が、キヌガサソウの世界最大の群生地です。
イワツメクサ(岩爪草):
ハコベ科イワツメクサ属で、日本固有種です。
5枚の花弁に切れ込みがあり10枚の花弁に見えます。
イワツメクサの名前の由来は、岩の間から生えているツメクサといわれます。
別名のオオバツメクサは、細い葉の形状が鳥の爪を思わせることからつけられています。
オカトラノオ(岡虎ノ尾・丘虎ノ尾):
キク科トラノオ属で、日本固有種です。
同じ向きに花穂が垂れ下がります。
花の先端が「虎の尾」のように見えることで名づけられました。
低山や丘に生えるからオカ(丘)トラノオで、海岸の岩場に生えるハマ(浜)トラノオという山野草もあります。
ハクサンイチゲ(白山一花・白山一華):
キンポウゲ科イチリンソウ属で、日本固有種です。
茎の途中に柄のない葉があります。アネモネに似た白い花を群生させます。
イチゲは「イチリンソウ」とよばれる山野草で、日本には12の近似種があります。
これらは夏に咲く白い高山植物の一部ですが、他にも多くの種類があります。
高山植物は美しくて魅力的な植物ですが、環境の変化や食害などで危機にさらされています。
高山植物を見るときは、保護のために立ち入り禁止区域に侵入したり触れたりしないようにしましょう。
「秋」に咲く白い高山植物
秋に咲く白い高山植物は、たくさんの種類があります。
高山植物とは、一般には森林限界より高い高山帯に生えている植物のことを指します。
しかし、この定義はあまり厳密ではありません。
実際には、高山帯に固有の植物だけでなく、氷河時代に氷河の南下とともにやってきて現在まで高山帯に残っている植物も高山植物と呼ばれます。
また、亜高山帯や山地帯にも生えているが、適応の幅が広いので高山帯にも生えている植物も高山植物と呼ばれる場合があります。
秋に咲く白い高山植物は、色系統別にiいくつかご紹介します。
オケラ:
キク科オケラ属で、北海道~九州にかけて生息しています。
房のような白い花が特徴的です。
日当たりのよい山地やひらけた草原などに自生しています。
ハッポウアザミ:
キク科アザミ属で、本州の八方尾根(はっぽうおね)にのみ生息するアザミの仲間です。
8~10月にかけて、赤紫色の花をうつむいたように咲かせます。
葉には細かい切れ込みがはいり、トゲがついていますので、触れる際はけがに気をつけてください。
イタドリ:
タデ科イタドリ属で、北海道の南部と本州~九州に生息しています。
150cmほどの草丈に、白い小さな花がいくつも咲く姿が特徴的です。
夏~秋にかけて見頃を迎えますが、若い芽は春の山菜として食用できます。
山道のほか川沿いや土手でも見られるでしょう。
オミナエシ:
オミナエシ科オミナエシ属で、深く切り込みが入った羽の形に似た葉と、小さな黄色い花がいくつも集まったような姿が特徴的です。
日本では、秋の七草として奈良時代より親しまれてきました。
沖縄県をのぞく日本各地の平地や、山に近い海岸で自生しています。
ハクサンイチゲ:
キンポウゲ科イチリンソウ属で、日本固有種です。
茎の途中に柄のない葉があります。アネモネに似た白い花を群生させます。
イチゲは「イチリンソウ」とよばれる山野草で、日本には12の近似種があります。
キヌガサソウ:
キンポウゲ科キヌガサソウ属で、日本固有種です。
放射状に広がる大きな葉の上に真っ白い花を咲かせます。
花色は白~薄ピンク~薄緑色へと変化するのが特徴で、秋に熟する子房の部分は食用としても活用できます。
秋田と山形の県境にある神室山が、キヌガサソウの世界最大の群生地です。
イワツメクサ:
ハコベ科イワツメクサ属で、日本固有種です。5枚の花弁に切れ込みがあり10枚の花弁に見えます。
イワツメクサの名前の由来は、岩の間から生えているツメクサといわれます。
別名のオオバツメクサは、細い葉の形状が鳥の爪を思わせることからつけられています。
オカトラノオ:
キク科トラノオ属で、日本固有種です。
同じ向きに花穂が垂れ下がります。花の先端が「虎の尾」のように見えることで名づけられました。
低山や丘に生えるからオカ(丘)トラノオで、海岸の岩場に生えるハマ(浜)トラノオという山野草もあります。
ニリンソウ:
キンポウゲ科イチリンソウ属で、春の野草の代表ともいえる白い花です。
1本の茎に2輪の花を咲かせるためニリンソウという名前がつきました。
葉は山菜として食べられますが、若葉が有毒のトリカブトと似ているため注意しましょう。
フキノトウ:
キク科フキ属で、各地の里山で見られる山菜として有名な春の野草です。
採らずにそのままにしておくと、白い花が咲きます。
花束のように固まっており、満開時はたんぽぽの綿毛に似た形です。
これらは秋に咲く白い高山植物の一部ですが、他にも多くの種類があります。
「冬」に咲く白い高山植物
冬に咲く白い高山植物は、あまり多くありませんが、いくつか紹介します。
ユキワリイチゲ:
キンポウゲ科イチリンソウ属で、日本固有種です。
雪の下で花芽を作り、雪が溶けるとすぐに白い花を咲かせます。
花の中央には黄色い雄しべが目立ちます。
ユキノシタ:
ユキノシタ科ユキノシタ属で、日本や中国に分布しています。
葉は厚くて多肉質で、冬でも緑色を保ちます。
花は白やピンク色で、2月から4月にかけて咲きます。
ミズバショウ:
サトイモ科ミズバショウ属で、北半球の寒冷地に広く分布しています。
花は白い仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる苞葉に包まれており、中央に黄色い小さな花が集まっています。
エーデルワイス:
キク科エーデルワイス属で、アルプス山脈などの高山に生息しています。
白い毛に覆われた葉と茎を持ち、花は白や淡黄色で、星の形をしています。
ウスユキソウ:
ケシ科オサバグサ属で、日本固有種です。
小さな白い花を下向きに咲かせます。
葉の形が機織りの縦糸を整える筬(おさ)に似ていることから「筬葉草」と書きます。
これらは冬に咲く白い高山植物の一部ですが、他にも多くの種類があります。
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「高山植物の白い花の名前。春・夏・秋・冬に分けて紹介。」についてのまとめ
高山植物は多くの種類があり、春・夏・秋・冬とそれぞれの季節で様々なものを見ることができます。
花や葉の形が平地に咲くものとは違い、その環境に順応したものも多く、見ているとついつい見入ってしまいます。
好きな植物を求めて登山するのもまた楽しいのではないかと思います。
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