園芸を始めると、ショッピングモールの園芸店が気になったり、
ホームセンターでも園芸コーナーや肥料のコーナーが気になりますよね。
肥料の説明書きを見てみると、「チッソ:リンサン:カリ 6-10-15」などと書いてあることがあり、
どの成分がどのくらいの割合で含まれているのかを確認することができます。
では、この「窒素」「リン酸」「カリウム」、植物にとってどのような役割があるのでしょうか?
今日はそれについて詳しく見ていきます。
今育てている植物にどのような肥料をあげたらいいのか迷っている人は参考にしてみてください。
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植物の三大栄養素「窒素」「リン酸」「カリウム」について
植物の三大栄養素についてです。
植物の三大栄養素とは、窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)のことで、植物が多く必要とする重要な栄養素です。
これらの栄養素は、肥料の三要素とも呼ばれ、肥料の表示にも必ず記載されています。
窒素(N)は、植物の体を形作るタンパク質や光合成に必要な葉緑素の構成元素です。
窒素肥料は「葉肥」とも呼ばれ、茎や葉の生長を促進します。
リン酸(P)は、植物の遺伝情報を伝達する核酸やエネルギー代謝に関わるATPなどの構成元素です。
リン酸肥料は「実肥」とも呼ばれ、開花や結実を促進します。
カリウム(K)は、植物体内でカリウムイオンとして存在し、水分や糖分の輸送や細胞内圧の調節などに関与します。
カリウム肥料は「根肥」とも呼ばれ、根の発達や病害虫への抵抗力を高めます。
植物には他にも多量要素や微量要素と呼ばれる栄養素が必要ですが、三大栄養素は最も重要であり、不足すると生長障害や収量低下などが起こります。
窒素(N):
窒素は植物にとって重要な栄養素ですが、過多になると植物に悪影響を及ぼすことがあります。
窒素の過多は、土壌中や養液中において、窒素の形態や量によって異なる症状を引き起こします。
アンモニア態窒素(NH4+)の過多は、土壌中で他のプラスイオン(カルシウム、マグネシウムなど)と競合して、
その吸収を阻害します。
カルシウムやマグネシウムが不足すると、植物の細胞壁や膜の安定性が低下し、病害虫や乾燥に弱くなります。
また、カルシウム欠乏はトマトの尻ぐされ果やイチゴのチップバーンなどの生理障害を引き起こすことがあります。
硝酸態窒素(NO3-)の過多は、養液栽培でよく見られる現象です。
硝酸態窒素は土壌中ではマイナスイオンであるため、土壌粒子に吸着されずに水分とともに移動しやすいです。
そのため、養液中に蓄積しやすくなります。
硝酸態窒素の過多は、植物の茎葉部の生長を促進し、花芽分化を遅らせることがあります。
また、果実の落下や乱形果などの品質低下を引き起こすことがあります。
さらに、硝酸態窒素は人体にも有害であり、野菜を摂取した際に中毒症状を起こす可能性があります。
リン酸(P):
リン酸は植物にとって重要な栄養素の一つで、DNAやエネルギーの生成に必要な成分です。
また、開花や結実、根の伸長などを促進する働きもあります。
しかし、リン酸が過多になると植物に悪影響を及ぼすことがあります。
リン酸の過多は、土壌中や養液中において、リン酸の形態や量によって異なる症状を引き起こします。
水溶性リン酸の過多は、土壌中で他のプラスイオン(カルシウム、マグネシウムなど)と競合して、その吸収を阻害します。
カルシウムやマグネシウムが不足すると、植物の細胞壁や膜の安定性が低下し、病害虫や乾燥に弱くなります。
また、カルシウム欠乏はトマトの尻ぐされ果やイチゴのチップバーンなどの生理障害を引き起こすことがあります。
く溶性リン酸の過多は、土壌中で他のマイナスイオン(硫酸イオン、硝酸イオンなど)と競合して、その吸収を阻害します。
硫酸イオンや硝酸イオンが不足すると、植物のタンパク質合成やエネルギー代謝に影響を与えます。
また、硫酸イオン欠乏はキャベツやブロッコリーなどのアブラナ科野菜で黄化症を引き起こすことがあります。
リン酸全体の過多は、植物の茎葉部の生長を促進し、花芽分化を遅らせることがあります。
また、果実の落下や乱形果などの品質低下を引き起こすことがあります。
さらに、リン酸は水質汚染の原因となることもあります。
カリウム(K):
カリウムは植物にとって重要な栄養素の一つで、細胞内の浸透圧の調整や酵素の活性化、光合成や窒素同化などに必要な成分です。
また、開花や結実、耐寒性や耐病性などを高める働きもあります。
しかし、カリウムが過多になると植物に悪影響を及ぼすことがあります。
カリウムの過多は、土壌中や養液中において、カリウムの形態や量によって異なる症状を引き起こします。
水溶性カリウムの過多は、土壌中で他のプラスイオン(カルシウム、マグネシウム、ナトリウムなど)と競合して、その吸収を阻害します。
カルシウムやマグネシウムが不足すると、植物の細胞壁や膜の安定性が低下し、病害虫や乾燥に弱くなります。
また、カルシウム欠乏はトマトの尻ぐされ果やイチゴのチップバーンなどの生理障害を引き起こすことがあります。
ナトリウムが不足すると、植物の水分保持能力が低下し、葉がしおれたり枯れたりすることがあります。
く溶性カリウムの過多は、土壌中で他のマイナスイオン(硝酸イオン、リン酸イオンなど)と競合して、その吸収を阻害します。
硝酸イオンやリン酸イオンが不足すると、植物のタンパク質合成やエネルギー代謝に影響を与えます。
また、硝酸イオン欠乏はキャベツやブロッコリーなどのアブラナ科野菜で黄化症を引き起こすことがあります。
カリウム全体の過多は、植物の茎葉部の生長を促進し、花芽分化を遅らせることがあります。
また、果実の落下や乱形果などの品質低下を引き起こすことがあります。
さらに、カリウムは水質汚染の原因となることもあります。
「適切な量の肥料」ってどのくらい?
植物にとって、肥料の適量は作物の種類や土壌の状態によって異なります。
一般的には、都道府県ごとに主要な作物についての適切な施肥量が調べられており、施肥基準と呼ばれるものがあります。施肥基準は、10aあたりの窒素(N)、リン酸(P2O5)、カリ (K2O)の基肥量と追肥量などを示しており、ネット上でも確認することができます。
施肥基準を参考にして、肥料の組み合わせや必要量を計算することができます。
計算する際には、以下のステップを踏みます。
・使い慣れた面積単位へ変換する
・肥料の組み合わせを決める
・1m2あたりの肥料の必要量を計算する
・1m2から作付面積の施肥量に変換する
また、作物によって肥料が欲しい時期は異なるので、それも考慮して肥料の与え方を調整することが大切です。
作物は大きく3タイプに分けられ、
「最初に多くの肥料が欲しい作物(前半タイプ)」
「栽培期間中に平均してずっと肥料が欲しい作物(一定タイプ)」
「最後に多くの肥料が欲しい作物(後半タイプ)」になります。
「三大栄養素「窒素」「リン酸」「カリウム」」についてのまとめ
今日は、植物の三大栄養素である「窒素」「リン酸」「カリウム」についてお話してきました。
植物を始めて、まず直面する壁として「お世話のし過ぎ」があります。
水・日光・風通しなど色々ありますが、栄養素もまたその要因の一つです。
私も植物を始めたての当初は「構い過ぎ」だとよくアドバイスを貰っていました。
今でも「適切なお世話」というのは分かってはいませんが、
植物にとっては何事も「少ないくらいの方が良い」ことは少しづつ分かってきました。
植物にとっての栄養素の役割と、適切な量を理解し、
良い関係を築いていきたいですね。
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